「御用だ御用だ!——誤用だ誤用だ!!」
「姑息」を「卑怯」という意味で使う。
「にやける」を「思わず頬が緩んで笑顔になってしまう」という意味で使う。
「おもむろに」を「唐突に」という意味で使う。
「敷居が高い」を「参入しづらい」という意味で使う。
などなど
これらは全て誤用、つまり「誤っている用い方」とされています。しかし、世の中ではもはや誤用の方が耳にすることが多く、遠からず正用となってしまいそうな言葉たちです。
そういうわけで、これらの誤用をしている人はきっと皆さんの身の回りにもたくさんいると思いますが、これらを「その使い方は間違っているよ!正しい意味は~~」と指摘したとして、その指摘をありがたがってくれる人はおそらく一割もいません。大抵は相手との関係が悪化するだけです。悲しいですね。
ただ、こと高校入試においては、この誤用の指摘はとても大切な事なのです。これらの指摘によって、入試本番の点数が上がるかもしれません。
というのも、世の中で誤用が広まりつつある言葉は、国語の高校入試問題でよく出題されるのです。
実際に千葉県の人気私立高校の入試でも、先にあげた「姑息」や「おもむろに」の正しい意味を問う問題がここ数年の間に出題されていました。
近年、インターネット上で言葉の誤用を指摘する人たちは「誤用警察」と呼ばれているそうで、見たところやはりネット空間でも「誤用警察」は煙たがられているようです。
「言葉は相手に伝えることが第一であるので、誤用している人が多い言葉なら、改めない方がより多くの相手に伝わるため、誤ったままでよい」というのが一般的な意見のようですが、皆さんは、「誤用警察」の指摘にも耳を傾け、現在「正しい」とされている言葉の意味をしっかりと把握していきましょう。
・補足
『現在は正しいとされているが、昔は誤用、誤読扱いだった』という言葉がたくさんあることもまた事実です。私がここまで書いてきた文章の中にも、120年前なら誤用となる使い方をしている言葉がいくつかあります。開き直って間違っているものを使い続けるのは当然正しいとは言えませんが、「言葉の変化は絶対に認めない!」という姿勢もまた正しいとは言えないのです。
大切なことは、どういった言葉が誤用されつつあるのかをしっかりと把握しておくことです。その後、広まっている誤用を使うのかどうかは、その場その時の状況によって変えても良いかもしれません。
個人的には、公的機関やそれに準ずる組織がその用法を正用として扱うまでは、誤っているとされている使い方はできるかぎり避けるべきだろうとは思っています。
それでは。
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